会社設立
定款の作成方法|絶対的記載事項と相対的記載事項の違いから書き方まで
会社の憲法とも呼ばれる定款。絶対的・相対的・任意的記載事項の区分と、合同会社/株式会社それぞれのテンプレートを整理。
公開: 2026/4/27本記事には広告 (PR) を含みます
この記事で分かること
- 定款の 3 種類の記載事項(絶対的・相対的・任意的)の違い
- 株式会社・合同会社それぞれの定款テンプレート構成
- 紙定款 vs 電子定款の違い(4 万円差の理由)
- 公証役場での認証手続きの流れ
当記事は法務省・日本公証人連合会等の公式情報を参照したリサーチベースの解説です。最新の手続きや個別事情は所轄法務局・公証役場・司法書士にご確認ください。
定款とは
定款は、会社の 基本ルールを定めた根本規則 で、「会社の憲法」とも呼ばれます。 会社設立時に必ず作成し、株式会社の場合は 公証役場で認証 を受ける必要があります(合同会社は認証不要)。
定款の 3 種類の記載事項
1. 絶対的記載事項(必ず書く)
書かないと定款自体が無効になる項目。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商号 | 会社名(例: 株式会社○○) |
| 目的 | 事業内容 |
| 本店所在地 | 最小行政区画まで(例: 東京都渋谷区) |
| 設立に際して出資される財産の価額 | 資本金額 or 最低額 |
| 発起人の氏名・住所 | 全発起人の情報 |
| 発行可能株式総数 | 株式会社のみ |
2. 相対的記載事項(書かないと効力が生まれない)
書くか書かないかは任意だが、書かないとその規定が定款上の効力を持たない項目。
主な例:
- 変態設立事項(現物出資、財産引受等)
- 株式の譲渡制限
- 取締役会・監査役の設置(株式会社)
- 役員任期の伸長(株式会社最大 10 年)
3. 任意的記載事項(書いても書かなくてもいい)
会社運営の便宜上書く項目で、定款に書かなくても会社規程として別途定められる。
主な例:
- 事業年度
- 決算公告の方法
- 株主総会の議長・招集時期
- 役員の員数
株式会社の定款テンプレート構成
第1章 総則
第1条(商号)
第2条(目的)
第3条(本店所在地)
第4条(公告方法)
第2章 株式
第5条(発行可能株式総数)
第6条(株式の譲渡制限)
第3章 株主総会
第7条(招集)
第8条(議長)
第9条(議決の方法)
第4章 取締役
第10条(員数)
第11条(選任)
第12条(任期)
第13条(代表取締役)
第5章 計算
第14条(事業年度)
第15条(剰余金の配当)
第6章 附則
第16条(設立に際して出資される財産の価額)
第17条(発起人の氏名・住所)
第18条(最初の事業年度)
合同会社の定款テンプレート構成
合同会社は組織がシンプルなため、定款も短くなる傾向。
第1章 総則
第1条(商号)
第2条(目的)
第3条(本店所在地)
第4条(公告方法)
第2章 社員及び出資
第5条(社員の氏名・住所、出資の価額)
第6条(社員の責任)
第3章 業務の執行及び会社の代表
第7条(業務執行社員)
第8条(代表社員)
第4章 計算
第9条(事業年度)
第10条(利益の配当)
第5章 附則
第11条(最初の事業年度)
第12条(定款に定めのない事項)
紙定款 vs 電子定款(4 万円の差)
| 項目 | 紙定款 | 電子定款 |
|---|---|---|
| 印紙税 | 4 万円 | 0 円(電子文書は印紙税法の対象外) |
| 認証手数料 | 3 〜 5 万円(資本金により変動) | 同左 |
| 謄本交付料 | 約 2,000 円 | 同左 |
| 必要環境 | プリンタ・印鑑のみ | マイナンバーカード・電子署名ソフト |
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公証役場での認証(株式会社のみ)
合同会社は認証不要。株式会社の場合のみ、定款を公証人に認証してもらう必要があります。
流れ
- 定款の原案を作成
- 公証役場に 事前確認 を依頼(FAX or メール、無料)
- 公証人が修正点を指摘 → 修正
- 認証日に予約 を取り、発起人全員の身分証明書・印鑑証明書を持参
- 認証手数料を支払い、認証済定款を 3 部受け取る(うち 1 部が会社用)
所要時間と費用
- 事前確認: 1〜2 日
- 認証当日: 30 分〜1 時間
- 費用合計: 約 5 万円(電子定款利用時)/ 約 9 万円(紙定款)
定款で迷いがちな項目
公告方法
- 官報公告(最安、年 6 万円程度の公告費)
- 電子公告(自社サイト掲載、無料だが調査機関費用要)
- 新聞公告(高額、大手企業向け)
マイクロ法人なら 官報公告 が定石。
役員任期
- デフォルト: 株式会社の取締役は 2 年
- 譲渡制限会社(非公開会社) は最大 10 年 まで伸長可能
- 任期伸長すれば改選登記の手間と登録免許税(1 万円)を節約できる
事業年度
- 個人事業との連続性を考慮するなら 12 月決算
- 繁忙期と決算期を分けるなら任意の月決算(製造業の 3 月決算等)
- 設立月によっては第 1 期が短くなるが問題なし
まとめ
- 定款は 絶対的・相対的・任意的 の 3 種記載事項で構成
- 株式会社は公証役場で認証必須、合同会社は認証不要
- 紙定款より 電子定款で 4 万円節約 できる
- 無料ツール(freee 会社設立 / MF 会社設立)が電子定款対応で実質ノーコスト
- 役員任期伸長・公告方法・事業年度は将来の運用コストに直結するので慎重に