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法人実印の作り方・印鑑カード登録|サイズ・素材・登録手順

法人設立に必須の代表印(実印)の作成と法務局への印鑑届の手順。直径 18mm の規格・素材選び(柘植・黒水牛・チタン)・登録費用・印鑑カード受領まで実務ベースで解説。

公開: 2026/5/5本記事には広告 (PR) を含みます

この記事で分かること

  • 法人実印(代表印)の 規格・サイズ・素材 の選び方
  • 法人実印・銀行印・角印(社印)の 3 本セット の役割分担
  • 法務局への 印鑑届書 記入方法と提出フロー
  • 印鑑カード交付申請 から印鑑証明書取得までの流れ
  • 商業登記法 改正(2021 年)による オンライン申請時の印鑑届出任意化
  • 失敗例 4 つ(規格外サイズ・素材の耐久性・印影不鮮明・カード未取得)
  • FAQ:通販と店頭の比較・改印手続き・印鑑紛失時の対応 など

当記事は商業登記法・商業登記規則・法務局公式情報を参照したリサーチベースの解説です。実際の手続きは管轄の法務局・各印章店にもご確認ください。

法人で必要な印鑑 3 種

法人運営で必要となる印鑑は基本的に 3 種類。それぞれ用途と作成タイミングが異なります。

種類別名用途法務局登録
代表印法人実印・丸印重要契約・登記・銀行口座開設必須(紙申請時)
銀行印法人銀行印銀行口座取引専用不要
角印社印請求書・見積書・社内文書不要

3 本セットで通販なら 5,000〜15,000 円、即日仕上げの実店舗なら 15,000〜30,000 円が相場。

法人実印の規格

法人実印は商業登記規則 第 9 条第 3 項により、以下の規格に収まる必要があります。

印鑑は、辺の長さが一センチメートルの正方形に収まるもの、又は辺の長さが三センチメートルの正方形に収まらないものであつてはならない。 (商業登記規則 第 9 条第 3 項)

つまり 1 cm 角 〜 3 cm 角の範囲内 が法定要件。実務上は以下のサイズが選ばれます。

サイズ主な使われ方
直径 16.5 mm小規模法人・マイクロ法人
直径 18.0 mm最も一般的(推奨)
直径 21.0 mmやや大きめ・装飾性重視

直径 18 mm が「法人実印の標準」とされる理由は、個人実印(直径 13.5〜15 mm)と区別しやすく、契約書で押印した際に視認性が高い ため。マイクロ法人で代表者と個人を兼ねる場合でも、個人実印と法人実印は 別の印影で作成 すべきです。

印面のレイアウト

法人実印の印面は 二重円のレイアウト が定石です。

  • 外周(外側の円): 「○○株式会社」「合同会社○○」など法人名
  • 内周(内側の円): 「代表者印」「代表取締役印」「代表社員印」

外周に法人名を入れることで、登記事項証明書や定款と紐づけやすくなります。内周は 「代表者印」が無難 で、役職変更(代表取締役 → 代表執行役 など)でも作り直し不要。

合同会社では「代表社員印」と入れる例が多いものの、内周に何を入れるかは法定要件ではないため、自由に決められます

素材の選び方

印鑑素材は耐久性・コスト・印影の鮮明さで選びます。

主な素材と特徴

素材価格帯耐久性印影の鮮明さ推奨度
柘植(つげ)3,000〜8,000 円△(10〜20 年)
黒水牛5,000〜12,000 円○(30 年以上)◎(標準)
オランダ水牛(白水牛)8,000〜18,000 円○(30 年以上)
象牙30,000〜80,000 円◎(半永久)△(ワシントン条約)
チタン15,000〜30,000 円◎(半永久)◎(次世代スタンダード)

素材選びのポイント

  • コスパ重視 → 黒水牛: 30 年使えて 1 万円以下、最も多く選ばれる
  • 耐久性重視 → チタン: 落としても欠けない、印影が経年劣化しない、火災・水害に強い
  • 見た目重視 → オランダ水牛: 白系で透明感、希少性

象牙は ワシントン条約 で国際取引が制限され、現在は日本国内の在庫のみ流通。新規購入は控えめにする傾向。

法務局への印鑑届書提出

法人実印を法務局に登録する手続きは、設立登記申請と 同時に行う のが定石です。

必要書類

  • 印鑑届書(法務局指定様式)
  • 代表者個人の 印鑑証明書(発行から 3 ヶ月以内)
  • 設立登記申請書(同時申請のため)

印鑑届書の記入項目

項目記入例
商号・名称株式会社○○
本店・主たる事務所東京都千代田区…
印鑑提出者の資格代表取締役
印鑑提出者の氏名山田 太郎
印鑑提出者の生年月日昭和○○年○月○日
法人の代表印を押印する欄(実印を押印)
個人実印の押印欄(代表者個人の実印)

法人代表印と代表者個人の実印を 両方押印 する点に注意。個人の印鑑証明書は、本人確認用として法務局に提出します。

商業登記法改正(2021 年)と印鑑届出の任意化

オンラインによる登記の申請(中略)を行う場合には、印鑑届書の提出は要しないものとする。 (商業登記規則 一部改正・2021 年 2 月 15 日施行)

2021 年 2 月の商業登記規則改正により、オンライン申請時に限り印鑑届出が任意 となりました。これは「登記の完全電子化」を進める法務省の方針に基づく改正です。

印鑑レス登記の選択肢

オンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)を使えば、印鑑届出なしで法人を設立できます。実務上のメリット・デメリットは以下のとおり。

観点印鑑あり(従来型)印鑑なし(オンライン)
設立登記印鑑届書 + 印鑑証明書電子証明書のみ
銀行口座開設法人実印が必須作り直し必要(事実上)
重要契約法人実印電子契約サービス(クラウドサイン等)
不動産登記法人実印 + 印鑑証明書紙手続のため実印必要

結局、印鑑は作る

商業登記の電子化は進んでいるものの、銀行口座開設・賃貸借契約・自動車登録 などは紙手続が残っており、現実的には法人実印を作ることになります。

将来的にすべてオンライン化された時点で「真の印鑑レス」が実現しますが、現状(2026 年)では印鑑届出を行うのが無難です。

印鑑カード交付申請

設立登記が完了したら、印鑑カード交付申請書 を法務局に提出して印鑑カードを取得します。これがないと印鑑証明書が取得できません。

印鑑カード取得の流れ

ステップ内容費用
1. 設立登記完了申請から 1〜2 週間
2. 印鑑カード交付申請書を法務局に提出即日交付0 円
3. 印鑑カードを使って印鑑証明書取得1 通 450 円450 円/通

印鑑カード交付申請は 設立登記の翌日以降 に可能。登記事項証明書(登記簿謄本)と一緒に取得するのが効率的です。

失敗例 4 つ

失敗 1: 規格外サイズで印鑑届書が受理されない

「目立つ大きさにしよう」と直径 35 mm の印鑑を発注 → 商業登記規則 第 9 条第 3 項違反で受理されず、再発注で 2 週間遅延。

対策: 直径 18 mm が標準、最大でも 30 mm 角に収まる範囲で作成。通販サイトの「法人印鑑」カテゴリから選べば規格内のものが大半。

失敗 2: 安価な素材を選び 5 年で欠ける

通販で 1,500 円のアクリル製を選択 → 5 年後にひび割れ、契約書の印影が不鮮明 → 改印の必要あり、再登録手続きで数日のロス。

対策: 法人実印は 30 年以上の使用を想定 し、黒水牛 8,000 円〜・チタン 20,000 円〜 を最低ライン。安物買いの銭失いになりやすい部分。

失敗 3: 印影が不鮮明で印鑑証明書が取れない

印鑑届書に押した印影が薄く、法務局で「印影が判読不能」として再提出を要求される。

対策: 印鑑届書には 朱肉(黒インクではなく赤) をしっかり付け、捨て印含めて 3〜4 回試し押しをして最も鮮明な印影で本提出。印面の彫りが浅い廉価品は避ける。

失敗 4: 印鑑カード未取得のまま銀行に行き手戻り

登記事項証明書のみ取得して法務局を後にし、銀行で「印鑑証明書も提出してください」と言われ再訪 → 印鑑カードがないと印鑑証明書も取れず、結局法務局に 2 度往復。

対策: 設立登記完了後の初回訪問で、登記事項証明書 + 印鑑カード交付申請書 + 印鑑証明書 をセットで取得する。法務局での所要時間は計 30 分程度。

FAQ

Q1. 通販と実店舗どちらで作るべきですか?

A. コスト重視なら通販、即日仕上げなら実店舗。 通販(はんこ祭り・ハンコヤドットコム等)は 3 本セットで 5,000〜15,000 円、納期 1 週間。 実店舗は 15,000〜30,000 円、即日〜2 日。設立スケジュールがタイトな場合は実店舗一択。 通販でも「即日発送」オプションがある業者があり、急ぎの場合はそちらを選択。

Q2. 法人実印を紛失したらどうすればいいですか?

A. 印鑑改印届書 を法務局に提出し、新しい実印を登録します。 必要書類:改印届書 + 代表者個人の印鑑証明書 + 新しい印鑑。費用は無料。 ただし紛失届は 悪用防止のため即日提出 すべきで、銀行・主要取引先にも紛失通知を送る。 警察への遺失届も忘れずに(民事上の対抗要件)。

Q3. 法人実印と個人実印は同じものを使えますか?

A. 物理的には可能ですが推奨されません。 法人実印(代表者印)と代表者個人の実印が同一だと、契約書で「個人としての押印か、法人代表としての押印か」が判別できなくなります。 税務調査・訴訟時に不利になるため、別の印鑑を作る のが定石。マイクロ法人でも例外なし。

Q4. 銀行印と実印を兼用できますか?

A. 可能ですが推奨されません。 銀行印を実印と分ける理由は、契約書で押印する場面と銀行取引の場面を 物理的に分離 することでセキュリティを高めるため。 また、社員に経理を任せる場合、銀行印だけ渡して実印は社長が保管するという運用ができます。

Q5. 角印は何に使うのですか?

A. 請求書・見積書・社内文書 など、実印を押すほど重要ではない書類に使用。 角印は四角形(21〜24 mm 角が標準)で、印面に法人名のみ刻印。 法律上の登録は不要で、PDF 書類への電子角印(画像貼付け)も慣行として認められています。 請求書発行の効率化のため、角印は早めに作っておくのが定石。

Q6. 印鑑証明書には有効期限がありますか?

A. 発行日が記載されているのみで、書類自体に有効期限はない が、提出先で期限を設けることが多い。 銀行口座開設・不動産取引・大型契約では「発行から 3 ヶ月以内」が一般的な要件。 設立登記の印鑑届書では同様に 3 ヶ月以内のものが必要。 取得は 1 通 450 円で、まとめて 2〜3 通取得しておくと再取得の手間が省けます。

Q7. オンライン申請なら本当に印鑑なしで法人運営できますか?

A. 理論上は可能、実務的にはほぼ不可能。 登記手続きはオンラインで完結できますが、銀行口座開設・賃貸借契約・自動車登録 など紙手続が残る場面は多数。 完全な印鑑レス運営は、取引先がすべて電子契約サービス(クラウドサイン・GMO サイン等)に対応 しているスタートアップ間取引のみ実現可能。 現実的にはオンライン申請でも印鑑届出を行い、後で実印を作る選択肢が主流。

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まとめ

  • 法人実印の標準サイズは 直径 18 mm、商業登記規則で 1 cm〜3 cm 角の範囲
  • 素材は 黒水牛(コスパ)チタン(耐久性) が現代の二大選択肢
  • 印鑑届出は 印鑑届書 + 個人印鑑証明書 を法務局に同時提出
  • 2021 年改正で オンライン申請時は任意化 だが、銀行口座開設で結局必要
  • 設立登記完了後、印鑑カード交付申請書 を提出してカード取得が必須
  • 法人実印・銀行印・角印の 3 本セット で 1〜3 万円が予算目安

参考資料(公式情報)