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会社設立

会社設立費用シミュレーション|法定費用・実費・電子定款の差を試算

合同会社・株式会社それぞれの法定費用と、電子定款の有無による差、各種ツール利用時の実費を試算。トータル何円かかるかが分かる。

公開: 2026/4/27本記事には広告 (PR) を含みます

結論から先に:この記事の要点

  • 株式会社・合同会社の 設立費用シミュレーション 5 ケース
  • 法定費用と実費の内訳(登録免許税・定款認証手数料・印紙税)
  • 電子定款 vs 紙定款の費用差(印紙税法上の根拠 + 4 万円差)
  • 無料設立ツール(freee / MF / 弥生)を使った場合の総額試算
  • 設立後の維持費 年額シミュレーション(10 年累計)
  • 失敗例 4 つ(資本金過大設定・定款作り直し・公証人手数料計算ミス・登記後届出忘れ)
  • FAQ:合同→株式変更コスト・資本金 1 円法人・最低資本金規制・補助金 など

当記事は法務省・日本公証人連合会・国税庁・印紙税法の公式情報を参照したリサーチベースの解説です。実費は司法書士・公証役場により多少前後します。

設立費用の構成

会社設立にかかる費用は、法定費用(国に納める税金)と 実費(書類作成・印鑑・代行)に分かれます。

区分主な項目金額
法定費用登録免許税6 万円〜(資本金の 0.7%、最低額)
法定費用定款認証手数料(株式会社のみ)3〜5 万円(資本金額で変動)
法定費用定款印紙税(紙定款の場合)4 万円
実費印鑑作成5,000〜15,000 円
実費印鑑証明書・登記事項証明書取得2,000〜5,000 円
実費(任意)司法書士報酬5〜10 万円
実費(任意)専門家による会社印鑑作成1〜2 万円

法定費用のうち、登録免許税は 登録免許税法 別表第一 で定められています。

会社設立費用の総額シミュレーション 5 ケース
合同会社 電子定款 DIY
8万円
合同会社 紙定款 DIY
12万円
株式会社 電子定款 DIY
21万円
株式会社 紙定款 DIY
25万円
株式会社 司法書士に丸投げ
30万円
紙定款にすると印紙税 4 万円が上乗せ。マイクロ法人の最安は合同会社+電子定款出典: 法務省・日本公証人連合会・印紙税法

ケース別 総額シミュレーション

ケース 1: 合同会社 + 電子定款 + DIY(最安)

項目金額
定款印紙税0 円(電子定款)
定款認証手数料0 円(合同会社は不要)
登録免許税60,000 円
印鑑作成(実印・銀行印・角印 3 本)5,000〜15,000 円
印鑑証明書取得(発起人分)600〜900 円
登記事項証明書取得(数通)1,800〜3,000 円
法人実印届出0 円
合計約 7 〜 8 万円

最安パターン。設立後の各種届出も自分で行えば追加費用なし。

ケース 2: 合同会社 + 紙定款 + DIY

項目金額
定款印紙税40,000 円
登録免許税60,000 円
印鑑作成5,000〜15,000 円
印鑑証明書等2,400〜3,900 円
合計約 11 〜 12 万円

電子定款にしないだけで +4 万円。基本的に紙定款を選ぶ理由はない。

ケース 3: 株式会社 + 電子定款 + DIY

項目金額
定款印紙税0 円(電子定款)
定款認証手数料30,000〜50,000 円(資本金により)
認証謄本交付料2,000 円程度
登録免許税150,000 円(資本金 0.7%、最低 15 万円)
印鑑作成5,000〜15,000 円
印鑑証明書等2,400〜3,900 円
合計約 19 〜 22 万円

定款認証手数料の段階

公証人手数料令の改正(2022 年 1 月)により、資本金額に応じて:

  • 資本金 100 万円未満:3 万円
  • 資本金 100 万〜300 万円:4 万円
  • 資本金 300 万円超:5 万円

ケース 4: 株式会社 + 紙定款 + DIY

項目金額
定款印紙税40,000 円
定款認証手数料30,000〜50,000 円
登録免許税150,000 円
印鑑関連7,400〜18,900 円
合計約 23 〜 26 万円

ケース 5: 司法書士に丸投げ(株式会社)

項目金額
法定費用一式約 22 万円
司法書士報酬50,000〜100,000 円
合計約 27 〜 32 万円

時間を買う代わりにプラス 5〜10 万円。 登記事項証明書取得・印鑑カード受領まで代行してもらえる。

電子定款にすると 4 万円浮く理由

紙の定款は 印紙税法 別表第一 第 6 号文書 に該当し、4 万円の収入印紙が必要。 電子文書は印紙税法の対象外(電磁的記録は印紙税の課税対象でない)なので、電子定款にすると 4 万円が丸ごと不要 になります。

電子定款を作るには:

  1. PDF 作成ソフト(Adobe Acrobat Standard 等、または専用ソフト)
  2. マイナンバーカード + IC カードリーダー または対応スマホ
  3. 電子署名ソフト(Adobe Acrobat、署名 PDF など)

これを自前で揃えるとソフト代だけで数万円かかるケースもあるため、結局 無料の会社設立ツール(freee 会社設立 / マネーフォワード会社設立 / 弥生のかんたん会社設立) を経由する方が現実的。

無料設立ツールを使った場合

freee 会社設立 / マネーフォワード会社設立 / 弥生のかんたん会社設立 は、いずれも 会社設立サポート自体は無料

提供される機能freeeMF弥生
定款作成(電子定款対応)
設立書類一式作成
公証人への手配代行
設立後の各種届出書類
法人口座開設サポート

ツール自体は無料で、利用条件として「自社の会計ソフトの月額 1 ヶ月〜契約」程度。 無料ツール経由だと電子定款の手間も省けて 法定費用のみ で完結する。

詳しい比較は 会社設立サービス比較 を参照してください。

維持費(年間)も考える

設立だけでなく、毎年の維持費も意識。

項目株式会社合同会社
法人住民税均等割(赤字でも発生)7 万円〜7 万円〜
決算公告費約 6 万円(官報掲載)0 円
役員任期更新登記(10 年に 1 回)1 万円(年換算 1,000 円)不要
会計ソフト3〜5 万円3〜5 万円
税理士スポット契約(決算のみ)15〜25 万円15〜25 万円
合計(最低ライン)約 31 〜 43 万円/年約 25 〜 37 万円/年

設立時の 14 万円差に加え、年間 6〜10 万円の差が積み上がる。 10 年運営なら累計で 70〜100 万円以上の差になる。

設立費用 + 10 年間維持費の累計

形態設立10 年累計
合同会社(電子・DIY)8 万円約 260 万円
合同会社(無料ツール + 税理士)8 万円約 280 万円
株式会社(電子・DIY)22 万円約 380 万円
株式会社(司法書士 + 税理士)32 万円約 410 万円

マイクロ法人なら 合同会社(電子定款 + 無料ツール) が圧倒的に有利。

マイクロ法人で最適な選択

状況おすすめ
1 人法人、B2B 中心、IPO 不要合同会社 + 電子定款 + 無料ツール
大企業取引メイン、信用優先株式会社 + 電子定款 + 無料ツール
時間より金、丸投げしたい司法書士依頼
将来 IPO 予定あり株式会社一択

設立費用ベースでマイクロ法人の 最安解は約 7 万円(合同会社 + 電子定款 + DIY)。

つまずきやすいポイント

失敗 1: 資本金 1,000 万円ぴったりで設立 → 設立 1 期目から消費税課税

「キリが良いから」と資本金 1,000 万円で設立したら、消費税法 第 12 条の 2 により 設立 1 期目から消費税の課税事業者 に。 免税期間 2 年を逃して、年間 50〜100 万円の消費税納付。

対策:資本金は 999 万円以下。実務的には 100〜500 万円が信用と免税のバランス◎。

失敗 2: 定款の作り直しで認証手数料が二重に発生

定款認証後に「事業目的を 1 つ追加したい」と発見、認証済み定款を作り直し → 認証手数料 5 万円が二重発生

対策:定款認証前に 「将来やる可能性がある事業」も含めて事業目的 5〜10 項目 + 末尾「前各号に附帯または関連する一切の事業」を入れる。認証後の修正は登記費用 + 認証費用が必要。

失敗 3: 株式会社 + 紙定款で印紙代 4 万円損

「電子定款の手続きが面倒」と紙定款を選び、印紙代 4 万円を払う羽目に。 さらに紙定款は 公証人立会いでの認証 が必要なため、訪問の手間も発生。

対策:無料設立ツール(freee / MF / 弥生)経由で電子定款。手続きは 30 分で完結し、印紙代 4 万円ゼロ。

失敗 4: 設立後の届出忘れで青色申告できず

登記完了後の 青色申告承認申請書(設立後 3 ヶ月以内) を忘れ、第 1 期は白色申告確定。65 万円控除を逃して年 19 万円の節税機会損失。

対策:登記完了後に 設立届出書 + 青色申告承認申請書 + 給与支払事務所開設届 をまとめて提出。無料設立ツールが自動生成してくれる書類セットを活用。

FAQ

Q1. 資本金 1 円で会社設立できますか?

A. 可能です(会社法 第 27 条で最低資本金規制が撤廃済み、2006 年新会社法)。 ただし以下の現実的な制約があります:

  • 法人口座開設で「事業実態」が疑われる
  • 取引先審査で信用力ゼロ判定
  • 創業融資審査で評価が下がる

実務上の最低ラインは 100 万円、信用重視なら 300 万円以上 が推奨。

Q2. 合同会社から株式会社へ変更すると総コストは?

A. 約 13 万円 + 3〜4 ヶ月の手間

  • 組織変更登記:6 万円
  • 解散登記:3 万円
  • 公告費用:約 4 万円
  • 株主総会開催 + 債権者保護手続き(1 ヶ月公告必要)

最初から株式会社か合同会社かは慎重に選ぶべき。

Q3. 設立費用は経費にできますか?

A. 「創立費」として法人の繰延資産 に計上、5 年以内で任意償却可能(法人税法施行令 第 14 条)。 設立直後の赤字期に償却すれば節税効果は限定的だが、黒字化後に償却すれば法人税節税に活用できます。 廃業時には未償却分を一括費用化可能。

Q4. 設立時に補助金・助成金は使えますか?

A. 創業時特化の制度 がいくつかあります:

  • 日本政策金融公庫の新創業融資(融資 上限 7,200 万円)
  • 小規模事業者持続化補助金(補助 上限 50〜200 万円)
  • 自治体の創業助成金(東京都 上限 400 万円など、地域差大)
  • IT 導入補助金(補助 上限 450 万円、SaaS 導入)

設立直後(決算 1 期未満)でも申請可能な制度があります。 ただし補助金は 採択後の交付までに数ヶ月〜半年以上のタイムラグ があり、設立費用や初期運転資金として即座には使えません。 保有不動産がある場合は、不動産を担保にした事業性ローン を「交付までのつなぎ資金」として併用する選択肢もあります(金利・条件は提供元サイトで要確認)。

Q5. 司法書士に依頼すると何が楽ですか?

A. 以下の手間がゼロ:

  • 定款作成(事業目的の整理含む)
  • 公証役場との調整・認証立会い
  • 法務局への登記申請
  • 登記事項証明書・印鑑カードの取得
  • 設立後の税務署・年金事務所への届出(一部)

時間的には 1〜2 時間で全完了。費用 5〜10 万円で数十時間が浮きます。さらに「設立後の税務・節税まで同じ担当に任せたい」なら、会社設立専門の税理士法人に相談する手もあります。設立代行と顧問契約がセットになるため、登記だけで終わる司法書士依頼と違い、役員報酬の設定や決算まで一貫してフォローされます。

Q6. 1 円会社のデメリットを補う方法はありますか?

A. 資本金準備金として個人借入を入れる 方法があります。 資本金は 1 円でも、設立後に代表者から会社への貸付(役員借入金)として運転資金を供給。 ただし、この場合は法人決算書の貸借対照表で「短期借入金」が大きく見えるため、銀行融資審査では不利。

Q7. 設立から登記完了までの期間は?

A. 書類準備 + 認証 + 登記申請 + 完了で 2〜4 週間。 内訳:

  • 定款作成:1〜3 日
  • 公証役場認証:1〜2 日
  • 法務局登記申請:即日(窓口)or 数日(オンライン)
  • 登記完了:申請後 1〜2 週間

設立日(=登記完了日)を希望日に合わせるには 2 週間以上前 から申請する必要があります。

次に読むべき記事

この記事のまとめ

  • マイクロ法人最安:合同会社 + 電子定款 + DIY = 約 7〜8 万円
  • 紙定款にすると印紙税 4 万円が発生(印紙税法 別表第一 第 6 号)
  • 株式会社は +14 万円(定款認証手数料 + 登録免許税差)、年間維持費でも +6〜10 万円差
  • 10 年累計 で合同会社(260 万円)vs 株式会社(380 万円)の差は 約 120 万円
  • 無料設立ツール(freee / MF / 弥生)を使うのがコスト・時間ともに合理的
  • 失敗例 4 つ(資本金 1,000 万 / 定款再認証 / 紙定款 / 届出忘れ)は予防可能

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