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会社設立

会社設立に必要なステップ|全 8 工程を順番に解説

発起人決定から設立登記完了までの 8 工程を、必要書類・所要日数・費用とあわせて時系列で整理。

公開: 2026/4/27本記事には広告 (PR) を含みます

この記事のポイント

  • 会社設立に必要な 8 つの工程 の全体像
  • 各工程の所要日数・必要書類・費用
  • 株式会社・合同会社それぞれの違いがあるステップ
  • 失敗例 4 つ(電子定款認証ミス・事業目的記載ミス・資本金額の落とし穴・印鑑登録忘れ)
  • FAQ:バーチャルオフィス登記・本店所在地変更・合同→株式変更コスト・補助金活用 など
  • 「自分で / 無料ツール / 司法書士」3 ルートのコスト比較

当記事は法務省・国税庁・日本公証人連合会等の公式情報を参照したリサーチベースの解説です。実際の手続きは法務局・公証役場・司法書士にもご確認ください。

会社設立の8工程
  1. 1
    設立要件の決定
    社名・本店・事業目的・資本金・役員・事業年度(後から変えにくい)
  2. 2
    印鑑作成
    実印・銀行印・角印(1〜3万円)
  3. 3
    定款作成
    絶対的記載事項を漏れなく
  4. 4
    定款認証
    株式会社のみ。電子5万円/紙9万円
  5. 5
    資本金払込
    発起人口座へ振込・通帳コピー
  6. 6
    設立登記申請
    合同6万円/株式15万円(登録免許税)
  7. 7
    登記完了
    申請後1〜2週間
  8. 8
    設立後の各種届出
    税務署・年金事務所等へ2週間以内
出典: 法務省・日本公証人連合会の手続きより整理

全工程の所要日数とコスト

工程所要日数主な費用
1. 設立要件の決定1〜3 日0 円
2. 印鑑作成(実印・銀行印・角印)即日〜1 週間1〜3 万円
3. 定款作成1 日0 円
4. 定款認証(株式会社のみ)1〜2 日5 万円(電子)/ 9 万円(紙)
5. 資本金払込即日0 円
6. 設立登記申請即日(窓口)/ 数日(オンライン)6 万円(合同会社)/ 15 万円(株式会社)
7. 登記完了申請後 1〜2 週間0 円
8. 設立後の各種届出登記後 2 週間以内0 円

合計: 株式会社で約 25 万円、合同会社で約 11 万円。電子定款利用時。

工程 1: 設立要件の決定

最初に決めること。後から変えられない / 変えると登記費用がかかるものが多いので慎重に。

  • 会社名: 同住所同名禁止、商標調査も推奨
  • 本店所在地: 自宅 / レンタルオフィス / バーチャルオフィス
  • 事業目的: 将来やる可能性ある事業も含めて 5〜10 個
  • 資本金: 1 円〜(推奨 100 万円程度。1000 万円超で消費税課税事業者になる)
  • 役員: 代表者 1 名でも OK
  • 事業年度: 設立月から 12 ヶ月を超えない範囲で選ぶ

資本金額の落とし穴

資本金は 会社法 第 27 条 により 1 円から設立可能ですが、実務上は以下を意識します。

  • 1,000 万円未満 → 消費税法 第 12 条の 2 の特例で、設立から最大 2 年間は免税事業者(インボイス未登録時)
  • 300 万円以上 → 銀行融資・取引先審査で「事業の本気度」を測る目安
  • 資本金 = 残高ではない → 設立直後から人件費・家賃で取り崩されるため、実務上は 6 ヶ月分の運転資金 + 設備費 を目安にする

「1 円会社」は理論上可能ですが、口座開設・取引先審査・融資審査でハンディになるため、最低 100 万円 が推奨ライン。

工程 2: 印鑑作成

  • 代表印(実印): 法務局に印鑑届として登録する印。直径 18mm が一般的
  • 銀行印: 法人口座開設・各種取引用
  • 角印(社印): 請求書・契約書に押す。実印の代わりにはならない

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2021 年 2 月の商業登記法改正により、オンライン申請時は印鑑届出が任意化 されています。完全に印鑑レスで設立登記する選択肢もありますが、銀行口座開設や契約実務で代表印は事実上必須なので、結局作ることになります。

工程 3: 定款作成

定款は会社の「憲法」。前述の通り絶対的記載事項を含めて作成。 freee 会社設立 / マネーフォワード会社設立 / 弥生のかんたん会社設立など、無料ツールを使うとガイド付きで作れる。 電子定款にしないと印紙代 4 万円が追加でかかるので、無料ツール経由で電子定款がほぼ必須。

事業目的の書き方(失敗例:曖昧すぎ)

事業目的は登記事項として誰でも閲覧可能で、後から追加すると登記費用 3 万円が発生します。

❌ 曖昧すぎ NG✅ 具体的 OK
インターネット関連事業1. ウェブサイトの企画・設計・開発・保守
2. クラウドサービスの提供
3. SaaS プロダクトの開発・運営
コンサルティング業務1. デジタルマーケティング戦略立案
2. 業務プロセス改善コンサルティング
3. SaaS 導入支援
その他付随業務(これは末尾に必ず入れる定型句)

実務目安:5〜10 項目 + 「前各号に附帯または関連する一切の事業」 を末尾に追加。 将来やる可能性のある事業(投資・物販・教育など)も先に入れておくのが定石。

工程 4: 定款認証(株式会社のみ)

合同会社は認証不要、即工程 5 へ。

株式会社は公証役場で認証手続き:

  • 必要書類: 定款 3 部、発起人全員の印鑑証明書、認証手数料
  • 認証手数料: 資本金 100 万円未満で 3 万円、100〜300 万円で 4 万円、300 万円超で 5 万円
  • 所要時間: 30 分〜1 時間

電子定款認証の落とし穴

電子定款を選ぶと 印紙代 4 万円が不要 ですが、以下のミスが多発します。

ミス 1: 個人の電子証明書がない

電子定款は 発起人の電子署名(マイナンバーカードの電子証明書) が必須。 マイナンバーカード未取得 / 電子証明書の有効期限切れ(5 年)だと認証できません。 事前に 公的個人認証ポータル で証明書の有効期限を確認しておくこと。

ミス 2: PDF 作成ソフトの仕様

電子定款は PDF 形式 + Adobe Acrobat 等での電子署名埋め込み が必要。 無料の PDF ソフトでは署名が公証役場のシステムで認識されないことがあります。 freee / MF 会社設立など、専用ツールを使うのが確実。

ミス 3: 公証役場の事前予約

電子定款の認証は 事前予約制 の公証役場が増えています。 当日の飛び込みでは断られるので、メール or 電話で予約してから訪問。

工程 5: 資本金払込

定款認証後(合同会社は定款作成後)に行う。

  • 発起人個人の銀行口座 に資本金を振り込む
  • 通帳の表紙・1 ページ目・該当振込ページをコピー → 払込証明書を作成
  • 法人口座は登記後でないと作れないので、必ず個人口座で実行

ネットバンク(楽天銀行・住信 SBI など)は通帳がないため、振込明細の PDF + 残高証明書で代用します。一部の法務局では受付が厳しいため、メガバンク or ゆうちょの方が無難。

工程 6: 設立登記申請

法務局で登記申請。これが完了した日が 会社設立日

必要書類

  • 登記申請書
  • 定款(認証済)
  • 払込証明書
  • 印鑑届書
  • 発起人の決定書(取締役選任等)
  • 取締役の就任承諾書
  • 印鑑証明書(取締役分)
  • 印紙台紙(登録免許税分)

登録免許税

  • 合同会社: 6 万円(資本金の 0.7%、最低額)
  • 株式会社: 15 万円(資本金の 0.7%、最低額)

申請方法

  • 窓口提出: 即日受付完了
  • オンライン申請: 登記・供託オンライン申請システムから提出。やや手数がかかるが郵送費不要

工程 7: 登記完了

申請後、1〜2 週間で登記が完了。 完了後、法務局で 登記事項証明書(登記簿謄本)印鑑カード を取得 → 印鑑証明書を取得。 これらは法人口座開設・税務署届出で必須。

工程 8: 設立後の各種届出

登記完了から 2 週間以内(書類により期限異なる)に、以下を提出。

届出先書類期限
税務署法人設立届出書設立後 2 ヶ月以内
税務署青色申告承認申請書設立後 3 ヶ月以内 or 第 1 期末まで
税務署給与支払事務所等の開設届出書開設後 1 ヶ月以内
都道府県税事務所法人設立届出書設立後 1 ヶ月以内(自治体により異なる)
市区町村役所法人設立届出書設立後 1 ヶ月以内(自治体により異なる)
年金事務所健康保険・厚生年金保険 新規適用届設立後 5 日以内
労働基準監督署労働保険保険関係成立届(従業員雇用時)雇用後 10 日以内

印鑑カード受領を忘れがち

登記完了後、印鑑カードは自動送付されません。 法務局に 印鑑カード交付申請書 を別途提出して取得します。これがないと印鑑証明書が取得できず、法人口座開設で詰みます。

登記事項証明書と印鑑カードはセットで取りに行くのが鉄則。

自分でやる vs 専門家に頼む

方法費用工数推奨度
完全 DIY法定費用のみ(合同 6 万 / 株式 25 万)30〜50 時間△(時間がある人向け)
freee 会社設立 / MF 会社設立(無料ツール)法定費用のみ + ツール導入5〜10 時間◎(バランス◎)
司法書士に丸投げ法定費用 + 報酬 5〜10 万円1〜3 時間○(時短重視向け)

詳しい比較は 会社設立サービス比較 を参照してください。

よくある失敗例 4 つ

失敗 1: 電子定款認証ミス → 印紙代 4 万円損

マイナンバーカードの電子証明書失効に気づかず、当日に紙定款で認証して印紙代 4 万円を払う羽目に。 対策: 設立準備の最初に 公的個人認証ポータル で電子証明書の有効期限確認。

失敗 2: 事業目的が曖昧で後追加 → 3 万円損

「IT 関連事業」だけ書いて設立したら、半年後に物販を始めるのに 目的追加登記の登録免許税 3 万円 が発生。 対策: 将来やる可能性のある事業を 5〜10 項目 + 末尾に「前各号に附帯または関連する一切の事業」を入れる。

失敗 3: 資本金 1,000 万円ぴったりで設定 → 消費税課税事業者に

「キリが良いから」と資本金 1,000 万円で設立したら、消費税法 第 12 条の 2 により 設立 1 期目から消費税の課税事業者 に。 対策: 999 万円以下にする。300〜500 万円が信用と免税のバランス◎。

失敗 4: 印鑑カード未取得で口座開設不可 → 1 ヶ月遅延

登記事項証明書だけ取って法務局を後にし、印鑑カード未取得のまま銀行に行って門前払い。 対策: 登記完了後、初回訪問で 印鑑カード交付申請書 + 登記事項証明書 をセットで取得。

よくある質問

Q1. バーチャルオフィスで法人登記できますか?

A. 可能です。会社法上、本店所在地は「住所」であれば足りるため、バーチャルオフィス可。 ただし以下の業種は 許認可で実体が求められる ため、バーチャルオフィスでは登記できません:人材派遣業、職業紹介業、宅地建物取引業、有料職業紹介業、古物商の一部 など。 詳細は バーチャルオフィスで法人登記するメリットと注意点 を参照。

Q2. 本店所在地を変更すると費用は?

A. 同一管轄内移転:3 万円他管轄移転:6 万円(登録免許税)。 さらに登記後は税務署・都道府県・市区町村への異動届出が必要で、トータル数日の事務工数。 将来移転の可能性が高いなら、本店所在地は柔軟性を確保しておく(自宅 → 賃貸オフィスなど)。

Q3. 合同会社から株式会社に変更するコストは?

A. 組織変更登記:6 万円 + 解散登記 3 万円 + 公告費用 約 4 万円 = 約 13 万円。 さらに定款変更・株主総会開催・債権者保護手続き(1 ヶ月公告)が必要で、3〜4 ヶ月かかります。 最初から株式会社で設立するか、当面合同会社で行くかは慎重に選ぶ。

Q4. 法人設立で使える補助金・助成金はありますか?

A. 創業時特化の制度 がいくつかあります:

  • 日本政策金融公庫の新創業融資(融資 / 上限 7,200 万円)
  • 小規模事業者持続化補助金(補助 / 上限 50 万円〜)
  • 自治体の創業助成金(東京都 上限 400 万円など、地域差大)
  • IT 導入補助金(補助 / 上限 450 万円、SaaS 導入に使える)

詳細は中小企業庁・地方自治体の最新情報を確認。設立直後(決算 1 期未満)でも申請可能な制度があります。

Q5. 役員が 1 人だけでも問題ないですか?

A. 問題ありません。会社法 第 326 条により、株式会社は取締役 1 名から設立可能(取締役会非設置の場合)。合同会社も社員 1 名から設立可能。 マイクロ法人の代表者 1 人法人は、この設計が前提。

Q6. 設立日を選べますか?

A. 登記完了日が設立日 です。法務局申請から登記完了まで 1〜2 週間かかるため、希望の設立日(縁起の良い日・月初など)から 2 週間前に申請 するのが定石。 ただし大安・友引などの繁忙日は窓口が混むので、平日午前一番に申請するのが確実。

Q7. 設立後の事業年度を後から変更できますか?

A. 可能です。法人税法 第 13 条に基づき、株主総会の特別決議で定款変更 → 税務署に異動届出書を提出します。 変更直後の事業年度は通常より短くなり、法人税の申告タイミングが前倒しになる点に注意。 1 期目で月選びを失敗しても 2 期目以降で修正可能。

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要点の振り返り

  • 設立工程は 8 ステップ、株式会社は約 25 万円・合同会社は約 11 万円
  • 電子定款 で 4 万円、無料設立ツール で更に手間と時間を節約
  • 設立後 2 週間〜2 ヶ月以内の 届出ラッシュ に注意
  • 健康保険・厚生年金は 5 日以内 が最短期限、忘れがちなので最優先
  • 失敗例 4 つ(電子定款・事業目的・資本金・印鑑カード)は予防可能
  • 補助金・融資は設立直後でも申請可能、創業時特化制度を活用

参考にした公式情報