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法人化判断

法人化シミュレーターの使い方|売上・経費から損益分岐点を見つける

本サイトの法人化シミュレーターの入力項目とアウトプットの見方を解説。売上・経費・役員報酬を変えて損益分岐点を探る使い方を紹介。

公開: 2026/4/27本記事には広告 (PR) を含みます

この記事で分かること

  • 本サイトの 法人化シミュレーター入力 5 項目 とそれぞれの根拠(消費税法 9 条 / 所得税法 89 条 / 法人税法 34 条 等)
  • 結果ページの読み方(個人事業ケース / 法人化ケース / 判定ロジック)
  • 「役員報酬を動かす」「売上を動かす」「経費を動かす」の使い分けと意味
  • 試算結果と実際の納税額がズレる 典型理由 5 つ(経費率・控除漏れ・地域差・税額控除等)
  • 結果別の次のアクション(法人化有利 / 個人事業有利 / ボーダーライン)
  • 失敗例 4 つ(過大経費・社保軽視・配偶者控除誤入力・1 期目想定)
  • FAQ 6 問(インボイス・iDeCo・配偶者役員・複数事業など)

当シミュレーターは国税庁・厚生労働省・全国健康保険協会の公式情報をベースとした 2026 年度モデル試算です。実際の納税額は経費・控除・地域差・各種税額控除により変動します。最終判断は税理士にご確認ください。

シミュレーターでできること

「自分の現在の売上・経費・所得が、個人事業主のままと法人化後でどれだけ手取りが変わるか」を 数秒で試算 できるツールです。

主に以下の問いに答えます。

  • 自分の売上で法人化したら手取りは増えるか減るか
  • 役員報酬をいくらに設定すると最有利か
  • 損益分岐点(法人化が得になる売上ライン)はどこか
  • 配偶者を役員にすると差はどう変わるか

法人化判断は数字を可視化しないと「なんとなく節税できそう」で進めてしまい後悔するパターンが多発します。シミュレーターは 意思決定の前に必ず通すべき関門 という位置付けです。

法人化シミュレーターの入力5項目
  1. 1
    年間売上(円)
    課税事業者は税抜、免税事業者は税込で入力(消費税法9条)
  2. 2
    年間経費(円)
    青色申告決算書の実数値を参照。感覚値は試算が大きくズレる
  3. 3
    役員報酬(年額)
    定期同額給与(法人税法34条)。社保・所得税・法人税のバランスを決める肝
  4. 4
    配偶者控除の有無/配偶者役員報酬
    配偶者を役員にするなら年100万円前後が定石
  5. 5
    居住地(都道府県・政令市)
    住民税率・国保料率の地域差を反映
出典: 国税庁・厚生労働省・全国健康保険協会

入力項目(5 項目)

1. 年間売上(円)

事業の年間総売上。基準期間(2 期前)の課税売上高が 1,000 万円超なら 消費税法 第 9 条 により消費税課税事業者となるため、課税事業者の場合は税抜で入力するのが正確です。免税事業者なら税込売上で入力。

2. 年間経費(円)

事業に使った経費。家賃・通信費・接待費・外注費・減価償却費など。経費率は業種で大きく変わるため、過去の確定申告書(青色申告決算書)の数字を参照するのが確実です。

業種別の経費率目安:

業種経費率の目安
Web エンジニア・デザイナー(受託)20〜30%
ライター・編集者15〜25%
ITコンサルタント15〜20%
EC・物販50〜70%
飲食店50〜70%

3. 役員報酬(年額、円)

法人化した場合に自分に支払う役員報酬の年額。法人税法 第 34 条 の「定期同額給与」要件により事業年度開始から 3 ヶ月以内に決定し、原則 1 年間は変更不可です。

ここを動かすと社会保険料・所得税・法人税のバランスが変わるため、シミュレーターの肝となる項目。デフォルトでは「個人の課税所得と法人の課税所得が均等に近くなる水準」を目安にすると税負担が最小化される傾向があります。

4. 配偶者控除等の有無 / 配偶者役員報酬

配偶者控除を取るか、配偶者を役員として報酬を出すかで結果が大きく変わります。所得税法 第 83 条(配偶者控除)の適用には配偶者の合計所得 48 万円以下(給与収入 103 万円以下)が条件。

配偶者を役員にする場合は、年収 100 万円前後が定石(給与所得控除 55 万円で配偶者の課税所得は 45 万円、所得税ほぼゼロ、社保扶養 130 万円未満も維持可能)。

5. 居住地(都道府県・政令市)

住民税率と国保料率の地域差を反映。東京都 23 区基準と地方では年数千円〜数万円の差が出ます。法人住民税均等割は都道府県・市町村で多少差があります(最低水準で年 7 万円)。

結果ページの読み方

個人事業主ケース

項目算出根拠
売上入力値
経費入力値
課税所得売上 − 経費 − 青色申告控除 65 万円(所得税法 143 条)− 各種所得控除
所得税累進税率(所得税法 89 条)
住民税課税所得 × 10%(一律)
国民健康保険料自治体ごとの料率 × 課税所得
国民年金保険料約 20 万円(一律、2026 年度)
個人事業税課税所得 × 5%(業種次第、290 万円控除あり)
手取り売上 − 経費 − 上記税・社保すべて

法人化ケース

項目算出根拠
売上入力値
経費入力値
役員報酬総額入力値(本人 + 配偶者役員)
法人の課税所得売上 − 経費 − 役員報酬 − 社保会社負担分
法人税・住民税・事業税法人税 15% / 23.2%(法人税法)+ 地方税
個人の所得税・住民税役員報酬 − 給与所得控除 − 各種控除 → 累進税率
健康保険料・厚生年金(労使合算)標準報酬月額 × 料率(協会けんぽ 2026 年度)
法人住民税均等割(赤字でも 7 万円〜)7 万円
個人の手取り役員報酬 − 個人税・社保本人負担分

判定

  • 手取り差:法人化ケース − 個人事業ケース
  • 損益分岐点:売上をどこまで減らすと手取りが逆転するか
  • 役員報酬の最適点:報酬額を変えた場合の手取り推移グラフ

「どこを動かすと有利になるか」の使い方

売上を変えてみる

売上を 100 万円刻みで変えながらシミュレートすると、法人化が得になる売上ライン(損益分岐点)が見えます。多くの場合 800〜1,200 万円付近が損益分岐点。詳細な売上帯別比較は 売上いくらから法人化が有利か を参照。

役員報酬を変えてみる

役員報酬を高くすると:

  • 個人の所得税・住民税が増える(累進税率)
  • 社会保険料が増える(標準報酬月額が上がる)
  • 法人税は減る(役員報酬は損金算入)

役員報酬を低くすると:

  • 法人税が増える(法人内に利益が残る)
  • 個人の手取りは減るが、内部留保は増やせる
  • 社会保険料は減る

通常、個人の課税所得 + 法人の課税所得が均等に近い あたりが税額最小化点。マイクロ法人スキームなら 役員報酬 月 8 万円(年 96 万円) で社保最低水準を取り、残りを内部留保に回す設計も有効。

経費を変えてみる

経費が増えると課税所得が減るので、両ケースとも税負担が下がります。ただし法人化後は 役員報酬を経費化できるため、経費比率が上がりやすい構造です。

実際の経費は確定申告書の青色申告決算書を参照するのが確実。「だいたい 30% くらい」と感覚で入れると試算が大きくズレます。

配偶者役員の有無を切り替える

配偶者役員ありに切り替えると、所得分散効果で 総税負担が 50〜100 万円減る ことがよくあります。配偶者役員報酬は年 100 万円前後が定石(社保扶養 130 万円未満を維持)。

試算結果と実際の納税額がズレる典型理由 5 つ

シミュレーターの結果と実際の納税額が違うことはよくあります。主な理由:

1. 経費率の見誤り

「だいたい売上の 30%」と答えても、実際は 15% だったり 50% だったりすることが多い。特に 減価償却・地代家賃・通信費 の扱いで差が出ます。家事按分(自宅兼事務所の家賃の事業使用割合)も実態とズレやすい項目です。

2. 各種控除の漏れ

iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)、小規模企業共済、生命保険料控除、ふるさと納税、医療費控除、配偶者特別控除など、シミュレーターが対応していない控除が実際は適用される。これらを合算すると年 100 万円以上の控除になることもあります。

3. 配偶者の所得状況

配偶者控除・配偶者特別控除は配偶者の所得次第で段階的に減額されます(所得税法 83 条 / 83 条の 2)。シミュレーターはこの段階性を簡略化していることが多く、配偶者の年収 103〜201 万円帯では実際の税額と差が出やすい。

4. 住民税の地域差・国保料率の地域差

均等割や所得割の率は自治体ごとに微差があり、東京都 23 区基準と地方では年数千円〜数万円の差。国民健康保険料はさらに地域差が大きく、東京 23 区と地方都市で年 30〜50 万円違うこともあります。

5. 法人税の各種税額控除

中小企業投資促進税制・所得拡大促進税制・研究開発税制(試験研究費の税額控除)・賃上げ促進税制など、適用すれば税額が下がる仕組みが多数。シミュレーターは通常これらを反映しません。設備投資や賃上げを実行した法人は実際の税額が試算より大幅に下がる可能性があります。

正確な試算は税理士に依頼するのが確実です。シミュレーターは「方向性を掴むためのツール」と割り切り、最終判断は税理士相談で詰めるのが王道。

結果別の次のアクション

「法人化有利」と出た場合

  1. 法人化のタイミング 5 基準 で適切な時期を確認
  2. 会社設立に必要なステップ で設立手続きを把握
  3. 株式会社 vs 合同会社 で形態を選ぶ
  4. 会社設立サービス比較 で設立支援ツールを選定
  5. 税理士マッチング比較 で顧問税理士を確保

「個人事業のままが有利」と出た場合

  1. 青色申告 65 万円控除 を確実に取りに行く
  2. 小規模企業共済(月 1〜7 万円、全額所得控除)・iDeCo(月 6.8 万円)で更に節税
  3. 売上が 1,000 万円ラインを超えてきたら再シミュレート
  4. 配偶者の所得状況が変化したら再試算

「ボーダーライン上」の場合

  • 翌年以降の売上見込みを織り込んで再試算
  • 配偶者・家族の所得状況も含めて判断
  • 設立費 + 維持費を 5 年で回収できる時間軸かを確認
  • 法人化と社保最適化(マイクロ法人 + 個人事業二刀流)の両シナリオを試算

ありがちな失敗例

失敗例 1: 経費を「ざっくり感覚」で過大入力

「だいたい売上の半分くらいかな」と感覚で経費 50% を入力。実際の経費率は 25% だったため、シミュレーター上は「法人化有利」と出たが実際の課税所得はもっと大きく、社保負担が想定より重くて法人化後に手取り減という結果に。

→ 過去 1〜2 年分の青色申告決算書を見て、実数値を入れること。

失敗例 2: 社会保険料の労使合算を見落とす

社保料の表示を「本人負担分のみ」と勘違いし、実際の負担を半分で計算。法人化後に 会社負担分も実質自分が払う(マイクロ法人代表者)構造を理解しておらず、想定の倍の社保負担に直面。

→ シミュレーターの「社保料」表示は 労使合算 で読み、マイクロ法人代表者は全額自己負担相当と捉える。

失敗例 3: 配偶者控除と配偶者役員を両方計上

配偶者控除を入力しつつ配偶者役員報酬も計上、税額が異常に小さく出た。実際は配偶者の収入が 103 万円超なら配偶者控除は対象外で、二重計上はあり得ない。

→ 配偶者を役員にする場合、配偶者控除は外れる前提で入力する。

失敗例 4: 1 期目の特殊性を考慮しない

シミュレーターは「設立 3 期目以降の安定運用」を前提とした試算が多いが、1 期目は消費税免税(消費税法 9 条)+ 設立費 25 万円 + 創立費償却など特殊事情が多く、実額がシミュレーター結果と大きくズレる。

→ 1 期目の特殊性を別途織り込み、シミュレーターは 3 期目以降の定常状態の指標として使う。

Q&A:読者からの疑問

Q1. インボイス制度の影響はシミュレーターに反映されていますか?

A. 基本反映していません。インボイス登録 = 消費税課税事業者化により、免税期間のメリットが消えます。B2B 中心でインボイス登録必須の事業者は、シミュレーター結果から「消費税免税効果」を割り引いて見てください。具体的には設立後 2 年間の消費税相当額(売上の約 10%)が効果から消える計算になります。

Q2. iDeCo の節税効果はシミュレーターに含まれていますか?

A. 多くの場合含まれません。iDeCo は個人事業主で月 6.8 万円(年 81.6 万円)、法人役員で月 2.3 万円(年 27.6 万円)の上限差があり、両ケースで条件が違うため簡略化されているのが一般的です。実際の手取り試算では iDeCo・小規模企業共済を別途上乗せして検討してください。

Q3. 配偶者を役員にした方が有利ですか?

A. 配偶者の現状所得次第。配偶者が無職なら役員化で所得分散効果大。配偶者がフルタイム就労中なら法人役員化のメリットは小さい。配偶者役員報酬は年 100 万円前後(社保扶養 130 万円未満維持 + 給与所得控除 55 万円活用)が定石です。

Q4. 複数事業を営んでいる場合の入力方法は?

A. 事業ごとに分けて試算するのが正確。法人化する事業のみの売上・経費を入力し、個人事業として残す事業は別計算で個人税負担に上乗せします。マイクロ法人 + 個人事業二刀流の場合は、両方の合算手取りで判断するのが現実的。

Q5. 退職金準備や経営セーフティ共済の効果は反映されていますか?

A. 長期効果は反映されていません。退職金は将来時点で受け取るため、現時点の年次手取り比較には含めにくい項目です。経営セーフティ共済(月 5,000〜20 万円、全額損金算入)も同様。法人化メリットの「将来効果」分は試算に上乗せして判断してください。

Q6. シミュレーター結果を税理士に持ち込むと相談がスムーズですか?

A. 非常にスムーズになります。「売上 1,500 万円 / 経費 450 万円 / 役員報酬 700 万円のシミュレーション結果ではこういう手取り差です。実際にはどんな差が想定されますか」という具体的な数字ベースの相談ができれば、税理士からも具体的な節税スキームの提案が出やすい。手ぶらで「法人化どう思いますか」と聞くより質の高い相談になります。

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この記事のまとめ

  • 入力 5 項目(売上・経費・役員報酬・配偶者・居住地)で 個人事業 vs 法人 の手取り比較が数秒で出る
  • 役員報酬を動かすことで 税額最小化点 が見える(法人税法 34 条 定期同額給与の制約あり)
  • 試算結果のズレ要因は 経費率・控除漏れ・配偶者の段階性・地域差・税額控除 の 5 つ
  • 過大経費入力・社保労使合算誤読・配偶者の二重計上・1 期目特殊性は典型的な入力ミス
  • 結果別の次のアクション動線あり(法人化有利 → 設立準備、個人有利 → 青色 + 共済深掘り)
  • 最終判断は税理士相談、シミュレーターは「方向性を掴むツール」として活用
  • まずは 法人化シミュレーター で自分の数字を入れてみる

データの出典