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法人化判断

法人化は売上いくらから? 年収別シミュレーションで損益分岐点を判定

売上 500 / 800 / 1000 / 1500 / 2000 万円の各帯で、個人事業主と法人化後の手取りを比較。あなたの売上帯がどっち有利かが一目で分かる。

公開: 2026/4/27本記事には広告 (PR) を含みます

結論から先に:この記事の要点

  • 売上 500 / 800 / 1,000 / 1,500 / 2,000 万円の各帯で 個人事業 vs 法人 の手取り比較
  • 法人化の損益分岐点(家族構成別 3 パターン)
  • 業種別経費率 で見直した実勢シナリオ(IT / 物販 / コンサル)
  • 「役員報酬 月 96 万円」マイクロ法人モデルの詳細
  • 売上帯ごとの「やるべきこと」アクションリスト
  • 試算結果と実際の納税額がズレる典型理由 5 つ
  • FAQ:配偶者役員額・二刀流・退職金準備・業種変動など

当記事は国税庁・厚生労働省・全国健康保険協会の公式情報をベースとした 2026 年度モデル試算です。実際の納税額は経費・控除・地域差により変動します。詳細試算は 本サイトのシミュレーター または税理士にご確認ください。

売上いくらから法人化? ざっくり判断フロー
Q1. 売上から経費を引いた所得が継続して600万円超?
✓ はい → 法人化メリットが出やすい✗ いいえ → 原則は個人事業が有利(下の条件も確認)
Q2. 売上1,000万円を超える見込み?
✓ はい → 消費税の免税期間を作れる法人化を検討✗ いいえ → 次へ
Q3. 配偶者など家族に給与を払える?
✓ はい → 所得分散で法人化効果が上振れ✗ いいえ → 単独なら維持費との天秤がシビア
設立費25万円+維持費年30〜50万円を超える節税が出るかが分岐点出典: 本文の売上帯別シミュレーションより

なぜ「売上いくらから」が問われるのか

法人化は 設立費 25 万円 + 維持費 年 30〜50 万円 がかかるため、節税効果がこのコストを超えないと法人化メリットが出ません。 さらに、消費税課税事業者化(売上 1,000 万円超)の繰り延べ、社会保険加入による年金最適化、配偶者役員による所得分散と、売上帯ごとに法人化の意味が変わります。

「売上いくらから」を考える際は、手取り増 vs 維持費 + 心理的負担のシンプルな天秤で判断するのが本記事の立場です。

試算の前提

項目根拠
経費率売上の 30%IT・受託開発業の中央値(後述で業種別補正あり)
役員報酬(法人化ケース)課税所得が均等になるよう設定法人税法 第 34 条 定期同額給与
配偶者控除あり(個人事業ケースのみ)所得税法 第 83 条
居住地東京都 23 区住民税・国保料率・均等割
業種個人事業税 5% 課税業種都税事務所基準
法人形態合同会社、設立 3 年目以降を想定消費税免税期間終了後
社保料率協会けんぽ 東京都 2026 年度全国健康保険協会公表値

実際の手取りは個別事情で差が出るため、あくまで 比較の傾向値 として読んでください。

売上 500 万円: 個人事業圧勝

項目個人事業法人化
売上500 万円500 万円
経費150 万円150 万円
課税所得(個人)350 万円役員報酬 150 万円受取
所得税・住民税約 35 万円約 5 万円
国保・国民年金 / 社保(個人負担分)約 65 万円約 22 万円
個人事業税約 6 万円-
法人税・住民税-約 30 万円
法人均等割(赤字でも発生)-7 万円
法人維持費(税理士+ソフト)-約 40 万円
個人手取り約 244 万円約 123 万円

法人化すると −120 万円。明確に損。 役員報酬を低く設定して内部留保を増やしても、設立費 + 維持費が利益を食う。 このゾーンでは 青色申告 65 万円控除(所得税法 第 143 条) + 小規模企業共済(年 84 万円控除) で個人事業のまま節税する方が圧倒的に有利。

売上 800 万円: 個人事業有利(社保最適化スキーム例外あり)

項目個人事業法人化
課税所得帯約 560 万円個人 + 法人で分散
個人手取り(試算)約 380 万円約 350 万円

差は縮まるが、まだ個人事業有利。維持費(30〜50 万円/年)が重い。 青色申告 65 万円控除 + 小規模企業共済 で個人事業のまま節税する方が合理的。

例外:社保最適化だけ狙うマイクロ法人スキーム

ただし、売上 800 万円でも 国民健康保険料が高い 30〜40 代の単身者 は、マイクロ法人化で社保最低水準(役員報酬 月 8 万円)を取る方が手取りが増える場合があります。

  • 国保料:年 80 万円超になることが多い(東京 23 区、課税所得 500 万円台)
  • 協会けんぽ:役員報酬 月 8 万円なら社保料 年 29 万円(本人 + 会社合算)
  • 差額 50 万円 > 法人維持費 40 万円 → 社保最適化目的での法人化が成立

このパターンは 「個人事業 + マイクロ法人の二刀流」 で、個人事業側で稼ぎつつ、法人で社保最低水準を取るのが定石。

売上 1,000 万円: ボーダーライン

項目個人事業法人化
売上1,000 万円1,000 万円
経費300 万円300 万円
役員報酬-400 万円(労使合計の社保負担を考慮)
個人手取り約 460 万円約 470 万円

ほぼ拮抗。消費税の観点(消費税法 第 9 条による 2 年免税リセット) を考慮すると法人化に傾く。 ただし B2B 中心でインボイス登録必須の事業者は、消費税メリットがほぼ消えるため、判断は他の軸で行います。

売上 1,500 万円: 法人化有利

項目個人事業法人化
売上1,500 万円1,500 万円
経費450 万円450 万円
役員報酬-700 万円
法人留保-約 200 万円(内部留保)
個人手取り約 660 万円約 730 万円

法人化有利が +70 万円。配偶者役員も加えれば更に差が広がる。 内部留保 200 万円は将来の役員退職金・経営セーフティ共済原資として運用可能。

売上 2,000 万円: 法人化大幅有利

項目個人事業法人化
売上2,000 万円2,000 万円
経費600 万円600 万円
役員報酬-役員 800 万円 + 配偶者 400 万円
個人手取り(合計)約 850 万円約 1,000 万円

+150 万円 の差。配偶者役員報酬による所得分散効果が大きい。 退職金準備・経営セーフティ共済を組み合わせれば更に拡大可能。

業種別経費率で見直したシナリオ

経費率 30% は IT・受託開発の中央値。業種により大きくズレるため、自分の業種で補正するのが現実的です。

業種経費率の目安法人化分岐点(売上)
Web エンジニア・デザイナー(受託)20〜30%1,000〜1,200 万円
ライター・編集者15〜25%900〜1,100 万円
ITコンサルタント15〜20%900〜1,100 万円
EC・物販50〜70%1,800〜2,500 万円
飲食店50〜70%1,800〜2,500 万円
不動産仲介30〜40%1,200〜1,500 万円

経費率が高い業種(物販・飲食)は 売上に対する課税所得割合が低い ため、同じ売上でも法人化の損益分岐点が高くなります。

「役員報酬 月 96 万円」マイクロ法人モデル

マイクロ法人の定石として、役員報酬を年 96 万円(月 8 万円)に設定 して社保最低水準で加入するパターンがあります。

この設定の意図

  • 協会けんぽ・厚生年金の 標準報酬月額の最低クラス(5.8 万円) で加入できる
  • 社保料が年 29 万円(本人 + 会社合算)に抑えられる
  • 国保 + 国民年金(年 80 万円超)と比べて 年 50 万円の差
  • 残りの利益は法人内に留保し、退職金や経営セーフティ共済の原資にする

適用の前提

  • 個人事業を別途営んでいる(生活費は個人事業側で稼ぐ)
  • 法人事業は社保を取るための受け皿
  • 個人事業 + マイクロ法人の 二刀流 が前提

このスキームは「マイクロ法人 = 社保最適化のための器」という捉え方で、節税効果の上限が高くなります。

損益分岐点

試算の前提によりますが、おおむね:

  • 単身者: 売上 1,000〜1,200 万円 / 課税所得 700〜800 万円
  • 配偶者扶養あり: 売上 1,200〜1,500 万円 / 課税所得 800〜1,000 万円(配偶者役員可能なら下がる)
  • 配偶者役員可(共働き法人): 売上 800〜1,000 万円 / 課税所得 600〜700 万円
  • 社保最適化目的(マイクロ法人 + 個人事業二刀流): 売上 600 万円〜(法人 + 個人事業の合算)

「自分の状況」を 本サイトのシミュレーター で個別試算するのが正確。

売上帯ごとの「やるべきこと」

売上帯アクション
〜500 万円個人事業 + 青色申告 65 万円控除を確実に取る、iDeCo 開始
500〜800 万円小規模企業共済(月 1〜7 万)・iDeCo(月 6.8 万)で節税幅拡大
800〜1,000 万円法人化シミュレーション開始、社保最適化型マイクロ法人も検討
1,000〜1,500 万円法人化を真剣検討、消費税課税事業者化前にアクション、税理士相談
1,500〜2,000 万円法人化 + 配偶者役員 + 退職金準備(経営セーフティ共済)
2,000 万円〜法人化マスト、税理士相談で複合スキーム最適化、内部留保戦略

試算結果と実際の納税額がズレる典型理由 5 つ

シミュレーターの結果と実際の納税額が違うことはよくあります。主な理由:

1. 経費率の見誤り

「だいたい売上の 30%」と答えても、実際は 15% だったり 50% だったりすることが多い。 特に 減価償却・地代家賃・通信費 の扱いで差が出ます。

2. 各種控除の漏れ

iDeCo、小規模企業共済、生命保険料控除、ふるさと納税、医療費控除など、シミュレーターが対応していない控除が実際は適用される。

3. 配偶者の所得状況

配偶者控除・配偶者特別控除は配偶者の所得次第で段階的に減額されます。シミュレーターはこの段階性を簡略化していることが多い。

4. 住民税の地域差

均等割や所得割の率は自治体ごとに微差があり、東京都 23 区基準と地方では年数千円〜数万円の差。

5. 法人税の各種税額控除

中小企業投資促進税制・所得拡大促進税制・研究開発税制など、適用すれば税額が下がる仕組みが多数。シミュレーターは通常これらを反映しません。

正確な試算は税理士に依頼するのが確実です。

FAQ

Q1. なぜ売上 1,000 万円が分岐点と言われるのに 800 万円でも法人化が有利な人がいる?

A. 国保料が高い地域・年齢層(30〜40 代単身者の東京 23 区)では、社保最適化目的のマイクロ法人化が成立するためです。 分岐点は「節税」ではなく「社保料節約」の観点で下がります。

Q2. 配偶者役員報酬はいくら払うのが最適?

A. 年 100 万円前後 が定石。給与所得控除 55 万円で配偶者の課税所得は 45 万円となり、所得税はほぼゼロ。 社保扶養(年 130 万円未満)も維持できる。配偶者の所得税・住民税が発生しない最適水準です。

Q3. 法人と個人事業の二刀流のメリット・限界は?

A. メリット:個人事業で青色申告 65 万円控除、法人で社保最適化、両方の節税効果を取れる。 限界:両者の事業内容を 明確に分離する必要があり、混同すると税務署から否認されるリスク。 税理士相談が事実上必須です。

Q4. 試算で 50 万円差なら法人化すべき?

A. 微妙です。法人化には 経理・税務の手間が年 30〜50 時間分増える(決算書作成、源泉徴収、社保手続き等)。 時給換算で 50 万円が手間に見合うかで判断します。税理士丸投げするなら手間は減りますが、税理士費用も増えます。

Q5. 退職金準備(小規模企業共済 / 経営セーフティ共済)の影響は?

A. 個人事業時代は 小規模企業共済(月 1〜7 万円、全額所得控除) が使えます。 法人化後は 経営セーフティ共済(月 5,000〜20 万円、全額損金算入) が追加で使えるようになり、節税枠が大幅拡大。 両制度の併用で年最大 324 万円の所得控除が可能になります。

Q6. 売上が変動する業種の判断方法は?

A. 過去 3 年の売上平均と将来 3 年の見通し平均で判断します。 変動が大きい場合(例:年 500 万円〜2,000 万円)、平均値より 下振れ年が法人維持費を回収できるか を重視。下振れ時に維持費負けするなら法人化リスク大。

Q7. 確定申告と法人決算の手間の差は?

A. 個人事業の確定申告は 会計ソフトで 1〜3 日、法人決算は 会計ソフト + 税務申告ソフトで 5〜10 日(税理士なし自力の場合)。 税理士に依頼すれば手間は減りますが、年 15〜30 万円の費用が発生。

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まとめ:今日のポイント

  • 売上 500 万円なら個人事業圧勝、1,500 万円なら法人化圧勝
  • ボーダーラインは 売上 1,000〜1,200 万円(家族構成・業種で変動)
  • 業種別経費率 で補正:物販・飲食は 1,800 万円超、IT 系は 1,000 万円から有利
  • 社保最適化型マイクロ法人なら売上 600 万円台でも法人化メリットあり
  • 配偶者役員報酬が使えれば損益分岐点は下がる
  • 自分の数字で正確に試算するなら シミュレーター を活用

参考資料