この記事で分かること
- 横浜市・川崎市の 国民健康保険料率(2026 年度公式公表値)
- 神奈川県の 県民税 4.025% + 市町村民税 6%(横浜みどり税の上乗せ)
- 政令指定都市の 住民税均等割(横浜みどり税 900 円含む)
- 東京 23 区との比較(国保料・住民税・法人住民税)
- 横浜・川崎在住者が法人化する際の損益分岐
- 神奈川県在住特有の失敗例 4 つ
- FAQ 7 問と次に読むべき記事
当記事は横浜市・川崎市の 2026 年度公式国保料率、神奈川県税務課の住民税情報、全国健康保険協会神奈川支部の保険料額表を元に作成しています。横浜市は「横浜みどり税」、川崎市は「川崎じもと応援券」関連等の独自施策があるため、最新情報は各自治体の公式サイトでご確認ください。
横浜市の国保料の構造
横浜市の国民健康保険料は、市独自の料率で計算されます。 2026 年度の料率(医療分・後期高齢者支援金分・介護分の 3 階建て)です。
横浜市国保料の計算式(2026 年度)
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1 人) | 平等割 | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|---|
| 医療分(基礎分) | 約 7.59% | 35,210 円 | なし | 65 万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 約 2.39% | 11,030 円 | なし | 24 万円 |
| 介護分(40〜64 歳) | 約 2.30% | 14,470 円 | なし | 17 万円 |
| 合計(40 歳未満) | 約 9.98% | 46,240 円 | なし | 89 万円 |
| 合計(40〜64 歳) | 約 12.28% | 60,710 円 | なし | 106 万円 |
横浜市は平等割(世帯単位の固定額)を採用していません。23 区と同じく 2 方式(所得割 + 均等割)です。
川崎市の国保料の構造
川崎市の 2026 年度の国保料率です。
| 区分 | 所得割率 | 均等割(1 人) | 賦課限度額 |
|---|---|---|---|
| 医療分(基礎分) | 約 6.47% | 35,070 円 | 65 万円 |
| 後期高齢者支援金分 | 約 2.42% | 13,000 円 | 24 万円 |
| 介護分(40〜64 歳) | 約 2.04% | 16,460 円 | 17 万円 |
| 合計(40 歳未満) | 約 8.89% | 48,070 円 | 89 万円 |
| 合計(40〜64 歳) | 約 10.93% | 64,530 円 | 106 万円 |
川崎市は横浜市より所得割率がやや低め。賦課限度額(上限)は全国共通で同額です。
年所得別の国保料(横浜・川崎・23 区比較)
| 年所得 | 横浜市(40〜64 歳) | 川崎市(40〜64 歳) | 23 区(40〜64 歳) |
|---|---|---|---|
| 300 万円 | 約 38 万円 | 約 34 万円 | 約 40 万円 |
| 500 万円 | 約 62 万円 | 約 56 万円 | 約 67 万円 |
| 600 万円 | 約 74 万円 | 約 67 万円 | 約 80 万円 |
| 700 万円 | 約 86 万円 | 約 78 万円 | 約 90 万円 |
| 800 万円 | 約 98 万円 | 約 89 万円 | 約 100 万円 |
| 1,000 万円超 | 106 万円(上限) | 106 万円(上限) | 106 万円(上限) |
川崎市が最も安く、横浜市が中間、23 区が最も高い構造です。差額は年所得 600 万円帯で 横浜 vs 23 区で年 6 万円、川崎 vs 23 区で年 13 万円 程度。
政令指定都市の住民税の特徴
神奈川県の住民税は 県民税 4.025% + 市町村民税 6% で構成されます。
県民税の上乗せ(神奈川県)
神奈川県は 「水源環境保全税」 として超過課税を実施しており、所得割で 0.025% 上乗せ(標準 4% + 0.025% = 4.025%)。 均等割でも県独自で 300 円上乗せ(標準 1,500 円 + 300 円 = 1,800 円)されています。
横浜市の住民税均等割
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 横浜市民税均等割 | 3,500 円 |
| 神奈川県民税均等割 | 1,800 円(水源環境保全税 300 円含む) |
| 横浜みどり税 | 900 円 |
| 森林環境税(国税) | 1,000 円 |
| 合計 | 7,200 円/年 |
23 区が 6,000 円/年なのに対し、横浜市は 7,200 円/年(+1,200 円)。横浜みどり税が独自加算されます。
川崎市の住民税均等割
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 川崎市民税均等割 | 3,500 円 |
| 神奈川県民税均等割 | 1,800 円(水源環境保全税 300 円含む) |
| 森林環境税(国税) | 1,000 円 |
| 合計 | 6,300 円/年 |
川崎市は横浜みどり税がないため、23 区より 300 円高い水準にとどまります。
地方税法の根拠
- 地方税法 第 4 条:道府県民税の標準税率
- 地方税法 第 5 条:市町村民税の標準税率
- 地方税法 第 71 条:超過課税の規定(神奈川県水源環境保全税の根拠)
- 横浜市みどり税条例:横浜市独自の超過課税
政令指定都市の法人住民税
横浜市・川崎市はいずれも 政令指定都市(地方自治法 第 252 条の 19)であり、市町村民税の徴収を直接行います。
法人住民税均等割(資本金 1,000 万円以下・従業員 50 人以下)
| 項目 | 横浜市 | 川崎市 | 23 区 |
|---|---|---|---|
| 道府県民税均等割 | 約 2 万円 | 約 2 万円 | 都民税分 5 万円 |
| 市町村民税均等割 | 5 万円 | 5 万円 | 区民税分 2 万円 |
| 合計 | 約 7 万円 | 約 7 万円 | 約 7 万円 |
法人住民税均等割の合計は 23 区も横浜・川崎もほぼ同額。資本金規模・従業員数で増減します。
23 区との比較サマリー
| 項目 | 23 区 | 横浜市 | 川崎市 |
|---|---|---|---|
| 国保料率(40〜64 歳) | 約 12.81% | 約 12.28% | 約 10.93% |
| 国保均等割(40〜64 歳) | 81,800 円 | 60,710 円 | 64,530 円 |
| 国保限度額 | 106 万円 | 106 万円 | 106 万円 |
| 住民税所得割 | 10% | 10.025% | 10.025% |
| 住民税均等割 | 6,000 円 | 7,200 円 | 6,300 円 |
| 法人住民税均等割 | 7 万円 | 7 万円 | 7 万円 |
国保料は 川崎 < 横浜 < 23 区 の順、住民税は神奈川県の方が 0.025% 高いものの誤差レベル。
横浜・川崎で法人化する際の損益分岐
国保 vs 社保最適化の差額
| 課税所得 | 横浜国保(40〜64 歳) | 川崎国保(40〜64 歳) | 社保最適化(月 8 万円) | 差額(横浜) | 差額(川崎) |
|---|---|---|---|---|---|
| 500 万円 | 約 62 万円 | 約 56 万円 | 約 28 万円 | 約 ▲ 34 万円 | 約 ▲ 28 万円 |
| 600 万円 | 約 74 万円 | 約 67 万円 | 約 28 万円 | 約 ▲ 46 万円 | 約 ▲ 39 万円 |
| 700 万円 | 約 86 万円 | 約 78 万円 | 約 28 万円 | 約 ▲ 58 万円 | 約 ▲ 50 万円 |
横浜・川崎の社保最適化マイクロ法人化は、課税所得 600 万円帯で 年 39〜46 万円の節約効果。 法人維持費(年 30〜50 万円)を差し引くと、川崎は損益分岐ぎりぎり、横浜は明確な節約余地があります。
失敗例 4 つ
失敗例 1:23 区在住時の試算をそのまま流用
東京 23 区から横浜・川崎に転居した直後に、23 区の国保料試算で法人化判断をすると、社保節約額を過大評価することになります。 特に川崎市は国保料が安いため、法人化メリットは 23 区比で 年 10 万円以上目減り します。
失敗例 2:横浜みどり税の見落とし
横浜市民は均等割で 横浜みどり税 900 円 が上乗せされます。 住民税均等割が 23 区より高い分、節税効果計算が微差ながら異なります。 法人化後は役員報酬が低い場合、住民税均等割もほぼ同額発生するため、横浜在住者は留意が必要です。
失敗例 3:神奈川県外の本社登記で県民税回避を狙う
法人住所を東京都内に置けば「横浜市民税が回避できる」と考える例がありますが、法人住民税は登記住所、個人住民税は 住民登録住所 で別々に課税されます。 個人の住民税は神奈川県分が必ず発生するため、法人住所だけ動かしても節税にはなりません。
失敗例 4:政令市と中核市の違いを混同
横浜・川崎は政令指定都市、相模原市も政令指定都市、藤沢市・厚木市は中核市・特例市レベルです。 国保料率は 市ごとに独立 しており、横浜の料率を相模原に適用すると年数万円の誤差。 転居予定がある場合は、転居先市の公式料率表を必ず確認します。
FAQ
Q1. 横浜市と川崎市、どちらが法人化に有利?
A. 国保料は川崎市の方が安いため、法人化前の個人事業時代は川崎の方が有利。 ただし法人化後の社保最適化額は同じ(協会けんぽ神奈川支部の料率は同一)なので、節約絶対額は横浜市民の方が大きくなります。
Q2. 横浜市から東京 23 区に転居すると国保料はどれくらい上がる?
A. 課税所得 600 万円帯で 年 6 万円程度(74 万円 → 80 万円)。 特別区統一料率は均等割が 81,800 円と高めのため、所得が低い世帯ほど差額が大きく感じられます。
Q3. 横浜市の国保料減免制度は?
A. 横浜市国民健康保険条例により、災害・失業・所得激減等で 減免申請 が可能です。 申請窓口は各区役所保険年金課。法人化前年に売上が落ちた場合、申請すれば翌年度の国保料が下がる可能性があります。
Q4. 神奈川県の協会けんぽ料率は東京と違う?
A. はい。協会けんぽは支部ごとに健康保険料率が異なります。 2026 年度の 神奈川支部は 9.99%、東京支部は 9.79%(介護保険料率は全国一律)。 神奈川は東京より約 0.20% 高く、役員報酬月 8 万円なら年差は数百円〜千円程度です。
Q5. 横浜市の創業助成金は?
A. 横浜市は「YOXO BOX」「横浜市創業促進補助金」など複数の創業支援メニューがあります。 最大 200 万円補助のものもあり、法人化時に活用可能。横浜市経済局の公式情報で最新公募状況を確認してください。
Q6. 川崎市の創業助成金は?
A. 川崎市は「かわさき新産業創造センター(KBIC)」を通じた創業支援、川崎市産業振興財団の起業家育成支援等があります。 特定業種(医療・福祉・IT 等)に特化した助成があるため、業種に合った制度をピックアップします。
Q7. 鎌倉市・藤沢市・横須賀市など神奈川県内他市も同じ料率?
A. 違います。神奈川県内でも市ごとに国保料率は独立しており、藤沢市・鎌倉市・横須賀市はそれぞれ独自料率です。 住民税の県民税分(4.025%)は神奈川県内で共通ですが、市民税分は市ごとに微差があります。
次に読むべき記事
- 東京 23 区の法人化:23 区の国保・住民税
- 大阪府の法人化:関西圏の比較
- 地方都市の法人化:札幌・仙台・福岡の事例
- 売上いくらから法人化すべきか:売上帯別損益分岐点
- 法人化シミュレーター:自分の数値で試算
まとめ
- 横浜市国保料率は 約 12.28%(40〜64 歳)、川崎市は 約 10.93% で 23 区より低め
- 神奈川県は 水源環境保全税 で住民税所得割が 10.025%、横浜市はさらに 横浜みどり税 900 円 上乗せ
- 課税所得 600 万円で社保最適化により 横浜 年 46 万円・川崎 年 39 万円 節約可能
- 23 区との差は年 6〜13 万円、転居予定がある場合は再試算必須
- 法人住民税均等割は政令市 23 区とも約 7 万円で同等
- 神奈川県の協会けんぽ料率(9.99%)は東京(9.79%)より僅かに高い